東証マザーズから東証1部指定を受けるに際して形式要件のうち、株主数2,200人の要件を充足できない会社が多く、要件を充足するために使われる制度のひとつが立会外分売である。公募売出に比べて手軽にできることもあり、東証1部にステップアップする際に多用される。
本年東証マザーズから東証1部指定を受けたビーロット(3452)は、上場直前に3度も立会外分売を実施しています。何度実施しても足りなかったのかというところです。
上場承認時に公募売出を実施すれば、ちょうどよく株主数も調整できるところですが、これは株主が株価を見て判断したかったり、証券会社側の事情があるからと思われます。半年以内に立会外分売を3度も行う事例は相当ないのではないかと思います。
《株主数の推移と立会外分売》
H28/12/31 有価証券報告書による株主数 1,593人
H29/9/4 立会外分外 30,000株 申込上限100株 分売価格 2,095円 ⇒株主300人増
H29/12/14 立会外分売 30,000株 申込上限100株 分売価格 3,632円 ⇒株主300人増
H30/1/24 立会外分売 123,000株 申込上限100株 分売価格 2,610円 ⇒株主1,230人増
H30/1/26 東証1部指定承認
株価が少し下がったところで、最大の立会外分売を行っており、ここで2、200人をクリアしたのではないかと思えます。立会外分売終了のお知らせの2日後に東証1部指定承認というのは、いくら東証1部指定の申請をしている事実を公表しているとしても。